
AIが「敵」に見えていませんか?
「AIに仕事を奪われる」
ここ数年、そんな見出しを何度も見かけたと思います。
エンジニアでさえも、コード補完や生成AIの進化を目の当たりにして、「このままでは自分の仕事がなくなるのでは?」と感じた人も多いでしょう。
でも、実際の現場を見ていると、AIが仕事を奪っているというより、仕事の形を変えているという表現のほうが近いです。
そして、その変化の波に乗れる人と立ち止まる人の差が、これからますます開いていきます。
このコラムでは、「AIに奪われるエンジニア」ではなく「AIを使いこなすエンジニア」になるために、今のうちに身につけておくべき視点とスキルを整理してみましょう。
AIが奪うのは「作業」だが、求められるのは「設計」
生成AIは、コーディング・テスト・ドキュメント作成など、これまで多くの時間を費やしてきた「作業」を圧倒的なスピードで代替できるようになりました。
しかし、そのAIが動くべきルールや正しい方向を決めるのは、依然として人間の仕事です。
AIは「書く」ことはできても、「なぜそれを書くのか」は理解していません。
だからこそ、今のエンジニアに求められるのは、作るスキルから、考えるスキルへ。
言い換えれば、「AIが成果を出せる仕組みを設計できる人」こそ、これからの現場で最も価値を持つ存在になるということです。
AI時代のエンジニアに求められる3つのスキル
1. AIを使う力ではなく活かす力
CopilotやChatGPTなどを使えるだけでは差がつきません。
重要なのは、「どんな場面で」「どんなアウトプットを期待して」使うかを設計する力です。
たとえば、プロジェクト設計段階でAIに仕様書を生成させる、レビュー時に品質基準をAIに確認させる、といったように、活用設計力こそが次のスキルになります。
2. 学び続ける姿勢を持つ
AI技術は毎月のように進化します。つまり、「学んだ技術」が半年後には古くなる時代。
その中で強いのは、 RSS・Zenn・Qiitaなどで情報をキャッチしたり、プロジェクト内で新技術を試すなど、
常に新しい知識を吸収する習慣を持つ人です。
3. 人間的コミュニケーション
AIが生成した提案を正しく評価するには、その業界・プロジェクトの「背景」や「目的」を理解している必要があります。
さらに、リーダーやクライアントとの調整、他職種との連携など、「人と話して理解を合わせる力」もますます重要になります。
AIが代替できない「人間らしさ」とは、まさにこの領域です。
「AIを恐れる」か、「AIと共に成長する」か
AIが台頭してから、業界全体が急速に変わりました。
単純な作業は減る一方で、「人間にしかできない部分」がより明確になってきています。
・問題を定義する力
・技術を組み合わせて解決する力
・チームで成果を出す力
AIはこれらを支援する存在であって、代わりではありません。
それを理解した上でAIを道具として使える人は、むしろ生産性も収入も上がっていくでしょう。
AI時代に価値を生むのは、「変化を受け入れる人」
「AIに奪われるのでは?」と心配する気持ちは、当然のことです。
でも、その恐れは行動でしか払拭できません。
AI時代に生きるエンジニアの仕事術は、常に学び続け、自分のスキルを時代に合わせて再構築し、
AIを「使われる側」ではなく「使う側」として扱うこと。
あなたのキャリアはAIに奪われません。
奪われるのは、変わることを止めた瞬間だけです。